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2024年2月1日 実はこわい歯周病..

こんにちは、獣医師の須藤です。

新年もあっという間に1ヶ月が過ぎましたね..

つるばやし動物病院は、お陰様で8周年を迎えることが出来ました!!

ということで、毎年恒例の2月デンタルキャンペーン開催中です!

 

人間で歯の病気というと、虫歯がいちばんに思い浮かぶかもしれませんが、わんちゃんねこちゃんは虫歯になることはほとんどありません。最も多いのは「歯周病」で、3歳以上のわんちゃんねこちゃんの約80%以上が歯周病にかかっているという報告もあります。

 

「歯周病」とは、歯垢の中の細菌によって歯肉や歯の根元、歯を支えている骨に炎症が起き、破壊されていく病気です。

 

食事のあと、歯の表面には細菌が増殖し、6~8時間すると歯垢がつきはじめます。

ここで歯みがきなどをせずに歯垢が放置されると、唾液中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラルと結びつき、硬い歯石に変化していきます。

 

歯石の表面はざらざらしているため、細菌が増殖しやすくなってどんどん歯石がついていく..という悪循環をおこし、歯と歯肉の間にできた隙間(歯周ポケット)に細菌が入り込み、歯を支えている骨までも溶かしていきます。


犬 猫 歯周病の進行過程

さらに、炎症をおこして傷ついた歯肉から細菌のかたまりが血管に入り、全身にまわってしまうと、いろいろな臓器に悪影響を与えて肺炎や心臓病・腎臓病になってしまうリスクもあるのです。

 

では、どのような症状があるでしょうか?

 

・歯垢/歯石がついている

・口臭が気になる

・よだれが多い

・歯茎に赤みがある、出血している

・グラグラしている、抜けてしまった歯がある

・口を気にする、食べづらそうな様子がある

 

これらに加えて、

 

・眼の下や鼻の付け根が腫れている

・くしゃみや鼻血が出る

 

などの症状がある場合は、歯の根元に膿が溜まり、上顎の骨が溶けて鼻まで貫通した穴ができてしまっている可能性があります。ここまで進行していると抜歯が必要になることもあります。

 

歯周病の治療としては抗菌薬や消炎鎮痛剤の投与、インターフェロン製剤などがありますが、すでに歯石がついてしまっている場合は全身麻酔をかけた状態で歯周ポケットの中まできれいに歯石を削り取る処置(スケーリング)が必要です。

 

気になる症状があるけれど全身麻酔に抵抗がある..という方も一度ご相談ください。

お口の状態を確認し、術前の血液検査などでしっかりと麻酔リスクを判断して、症状と状況にあった治療をご提案いたします。

 

このように実はこわい歯周病ですが、毎日のデンタルケアによる予防がとても重要です!

最も効果的なのは歯ブラシを使った歯みがきで歯石になる前に歯垢を取り除くことですが、口を触るのをイヤがったり、なかなか難しいですよね..

そんなわんちゃんねこちゃんも諦めないで!様々なデンタルケアグッズの中からチャレンジできそうなものをご紹介します。

 

健康で長生きするために、この機会にお口の環境を見直しましょう!